「第30回全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の結果発表

書道家の律動感あふれる書「いのり」を刻んだ墓石が大賞受賞

ひまわりの中に天秤の弁護士バッジ型お墓が特別賞に

 

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※受賞者のお墓づくりエピソード詳細


自らの作品を墓石として残してほしいという書家(水谷龍雲)であった亡父の願いに沿い、芸術的な作品「いのり」を墓石に刻んだ群馬県富岡市の今井有美子さん(62歳)が、「第30回全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」の「大賞」を受賞しました。
87年の生涯を書道一筋に生き、数々の作品を発表してきた故人。その代表作のひとつが石材店の手により、新たな息吹が吹きこまれました。書道の律動感、墨の濃淡、かすれ、滲み、跳ねのひとつひとつ細部に至るまでを忠実に再現しています。まるで展覧会さながらのお墓です。また墓石の前には石材で表現した『硯』と『筆』が配置され、格調高いお墓に仕上がっています。
完成したお墓には、展覧会を訪れるように多くの人がお墓参りに訪れているそうです。お墓はそこに眠る方のためにだけあるのではなく残されたご家族や生前交流のあった方にとっても、亡き方を偲び、心癒す大切な空間です。そうしたことを強く感じさせる素晴らしいお墓です。

「全優石想いを込めたお墓づくりコンテスト」は、北海道から沖縄まで、全国の優良石材店約200社によって構成する墓石業者の全国組織「全優石」(正式名称:一般社団法人 全国優良石材店の会、会長:吉田 岳、事務局:東京都品川区上大崎2-7-15)が実施したもので、今年で30回目です。新しいデザインのお墓、個性的なお墓、オリジナルなお墓など、特別な想いを込めたお墓の写真とエピソードを全国規模で公募しました。応募資格はお墓の所有者かその家族、または家族の了解を得た石材店という条件付きです。今年5月末の締切までに全国の28名から応募が寄せられました。審査の上、大賞1名、特別賞3名、入賞8名が決定しました。

特別賞には3名が選ばれました。
岐阜県土岐市の伊藤知恵子さん(73歳)は、亡夫のための弁護士バッジ型のお墓で受賞しました。伊藤さんは結婚まもなく亡夫から何か勉強でもしたらと勧めてられ、大学法学部の通信教育を始めました。やがて夫の後押しもあり司法試験を目指すようになりました。そして10年後に努力が実り43歳で司法試験に合格し、2年の修習後いきなり自宅で独立したそうです。やがて亡夫が55歳で会社を早期退職して事務所を手伝って助けてくれるようになり、それからは本当に夫婦で助け合って弁護士の仕事をやってきました。夫なくしてこれまでの弁護士の仕事はできませんでしたという。
夫が亡くなりお墓づくりを考えた時、2人を象徴するものとして弁護士バッジを思い浮かべたそうです。弁護士バッジはひまわりの中に天秤が描かれています。伊藤さんは2つの天秤の当事者を公平に調整するのは愛だと常日頃考えていましたので、弁護士バッジにはないが天秤の真ん中には「愛」という文字を入れました。それはまた伊藤さんの亡夫に対する愛と感謝の気持ちが込められているお墓でもあるようです。



特別賞の2人目は、山口県下松市の恵本正彦さん(81歳)の寿陵墓です。定年後、趣味の水墨画を始めて二十年。自分の描いた絵を是非、墓石に入れたいと一念発起、子供時代に遊んだ愛着のある郷里の墓地に建立しました。絵柄は一本の竹とまん丸いお月さんを描いてあり、本人も奥様も大満足の仕上がりです。一杯飲みながら喜んで墓づくりを子供達に披露したところ「自分の墓を作ってこんなに楽しく喜んでいる人も珍しい!」と言って笑われましたと振り返ります。自らがまだ生きている間の終活、幸せなお墓づくりはとても素晴らしいと思います。

特別賞の3人目は個人ではなく医療法人で、静岡県焼津市の志太記念脳神経外科です。病院で長年共に働いてきたスタッフが49歳の若さで亡くなるという悲しい出来事がありました。そのスタッフは生前に「一緒にお墓に入れたらいいね」と話したこともあり、その約束を果たすため、医療法人としてのお墓を建立することを決意。手を合わせた後に顔を上げると、お墓の間から高さ15mの「藤枝大観音」が見えるお墓に仕上げました。大切なスタッフの供養を目的に始まったお墓づくりは、最終的に病院に関わるすべての人々を受け入れる医療法人のお墓として結実しているそうです。

東京都国分寺市の根岸玉恵さん(82歳)は、難病の末に亡くなった亡夫のお墓で入賞しました。筋萎縮性側索硬化症を発症し、亡夫の容態は少しずつ確実に変化して行ったそうです。体中の筋肉が萎縮していく痛みというものがどれ程のものであったろうか。「今は痛みから解放されたのかと、私の体からも力が抜けて行くようです」と思いを語ります。亡夫の1年7ヶ月に及ぶ苦しい闘病を思い、せめてこれからの永遠の眠りの場所だけは安らかであれと、墓石に「やすらかに」の文字を刻みました。

埼玉県蓮田市の斎藤照子さん(82歳)は、亡夫のお墓で入賞しました。教師で書道が得意の亡夫は、校長先生をしていた頃、卒業生全員に毛筆で「愛は心が真中」と書いた色紙をプレゼントしていたことを思いだし、書斎を必死に探し見つけ出します。「『愛』という字は『心』が真ん中にあるだろう。『心』が一番大切なんだよ。今後長い人生を歩んで行く生徒たちに、そのことを伝えたいんだよ」と、ひたむきに生徒たちの未来を考えながら、目を輝かせて話してくれた亡夫の想いを込めて「愛は心が真中」と石に刻みました。

 山形県米沢市の白石侯明さん(61歳)は、亡き父母のためのお墓で入賞しました。最初は、子どもたちに迷惑をかけなくて済むという思いから樹木葬にしようと考えていたと言います。子どもたちも喜んでくれるだろうと相談したところ、「自分の家のお墓としての形がほしい。拠り所がほしい。」と意外な答えが返ってきました。そこで独立したお墓を建立することにし、創作四字熟語「想逢無限(そうおうむげん)」を刻みました。「出逢いに想いを寄せることに限りなし」の意味を込めています。

山梨県北杜市の柴岡直美さん(40歳代)は、旅好きだった亡父のお墓で入賞しました。一人旅が好きだった亡父が、旅先で急逝しました。家名や家紋は入れず誰でも入れるお墓で、文字は旅が好きだった父を思い、「旅路」とし、習字を習っている長男に書いてもらったという。また力強く未来へ歩いて行って欲しいという願いを込めて子供たちの足跡も彫刻しています。

宮城県柴田郡の奥山富夫さん(77歳)は、開拓者であった亡母のためのお墓で入賞しました。父母は便利な機械や道具も無い中で開墾に精を出し、近隣の開拓仲間と協力しながら奥山家の基礎を作りました。今、綺麗に整地された畑や田んぼを見ると、想像できない苦労があったと思います。そんな母を称え、話し好きな母に話しかけ、畑の作物に話しかけている姿、歌の好きな母の歌声を思い浮かべられるような墓石を作れたら、きっと残された者も生きることへの励みになるかなとの思いもあり、蔵王の油石(自然石)に「開拓」の「拓」一文字を刻みました。

埼玉県熊谷市の関口道子さん(74歳)は、花に囲まれた楽しくなるガーデニング風お墓で入賞しました。ヨーロッパ旅行で見た庭園をイメージしたお墓をガーデンプランナーと相談して建立。花に囲まれ楽しくなるような、又行きたくなるようなお墓です。タバコを止める位なら死んだ方がまし!という亡夫の顔を子供が陶器で作ったリ、自宅の庭石なども移設しました!月命日にはお参りし、季節の花など植え替えてます! と語ります。

滋賀県大津市の石津正明さんは、四国巡礼の旅で一目ぼれした伊予青石で特注したお墓で入賞しました。永らく一族のお墓と一緒でしたが新しくお墓を建立することに。そこでかつて見た伊予青石に、奥様が書いた「縁」の文字を彫刻。時々「墓じまい」を口にしていた奥様も、これでたやすく墓じまいとは言わないだろうと安堵していると語ります。

 アメ車の赤いオープンカーを愛車としていた亡夫を偲び、車のフロント部分、運転席、助手席をリアルに刻んだオープンカー風お墓で入賞したのは大阪府東大阪市の宮下清子さん(76歳)です。家族を乗せ、時には友人とも出掛けてたくさんの思い出を愛車とともに過ごしました。宮下さんは「主人は、今この愛車と共にドライブに出かけました」と語ります。

応募いただいた作品はいずれも、心のこもった、とても素敵なお墓ばかりでした。全優石では、当コンテストを通じてこうした素晴らしいお墓づくりのことをより多くの方に知っていただき、それをきかっけとして、心を込めたお墓づくりが増え、そのことでより多くの方の幸せにつながりますよう願っております。


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