2012年6月

津波の教訓を未来に残す「津波記憶石」23基が釜石市唐丹地区に建立

唐丹本郷地区の小中学生95名のメッセージを刻んだ石柱

津波到達点22箇所に石柱も。全優石の「命の復幸計画」が順調に進展


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 東日本大震災での津波の事実と教訓を後世に伝えるとともに、亡くなられた方々の慰霊の気持ちを込めた「津波記憶石」が、岩手県釜石市、唐丹湾に面した唐丹町本郷に建立される。更に22基の石柱の津波記憶石が津波到達点に同時に建立。完成は6月22日前後の予定。

 北海道から沖縄まで、全国の優良石材店約300社で構成する墓石業者の全国組織「一般社団法人 全国優良石材店の会」(略称・全優石、会長・吉田剛、事務局・東京都品川区上大崎3-8-5)の「命の復幸計画」事業の一環として進められる。計画では岩手、宮城、福島など津波被害を受けた沿岸地域に建立を目指している。今回の建立は、石材提供や石材加工、施工などは全優石加盟の沼津石材株式会社(本社・静岡県沼津市香貫前原、社長・榊原 晃)が、北上石材店(本社・岩手県北上市本石町、社長・伊藤 英明)が施工協力を行う。(榊原社長の思いは最終ページに原文を添付しました)。すでに2011年12月に岩手県釜石市の根浜海岸に第1号を建立、今年3月に気仙沼市の小泉小学校に建立された第2号に次いで3番目〜25番目となる。

 唐丹町は人口2100人、956世帯の漁村。今回の大震災では防波堤・防潮堤などが破壊され、津波は低地の集落を襲い住宅の三分の一が全・半壊、死亡・行方不明者22名、唐丹駅は水没、海辺に位置した市立唐丹小学校は全壊、唐丹中学校校舎も一部破損した。幸いにも唐丹小学校児童68名、中学校生徒54名は高台に避難して難を逃れた。

 今回の建立にあたっては、全優石の命の復幸計画推進委員会のメンバーと唐丹地区の災害対策のメンバーが数回にわたり打ち合わせ行い、大津波を経験した地域住民のメッセージを刻むことになった。寄せられた小学生37名、中学生54名、大人4名の合計95名のメッセージが未来に向かって語りかける。

 「伝えつなぐ大津波 2011.3.11」と刻まれた大きめのモニュメント(高さ2.6m)の周りに、4つの四角い石碑(高さ2m)が建てられ、石碑の表裏にメッセージがずら〜と並ぶ。

■「100回逃げて、100回来なくても、101回目も必ず逃げて」(中学2年、女子)
■「津波と人々の優しさを忘れず、この町をもっと発展させよう。津波に負けるな釜石!」(中学3年、男子)
■「悲しくて前を向くことができない時は、無理をせず横を向いてみてください。いつでも仲間や家族が一緒にいます」(中学3年、女子)
■「つなみがきたらにげろを、むねにきざみ生きていこう」(小学4年、女子)
■ 「津波なんかに人は負けない。仲間がいるから、津波なんかに絶対にまけない」(小学6年、男子)
■「楽しい日々、大切なものが流れても、笑顔と友情はけっして流れない」(中学3年、男子)
家を失い、家族を失い、身内を失った児童、生徒ならではの津波への教訓。また、励ましや奮起などのメッセージも交じる。

 また、「津波到達点に設置される津波記憶石」が唐丹地区の津波到達点22箇所に建立される。土台部分を除き高さ約1mと小振り。正面には「伝えつなぐ大津波」の文字。地元の盛岩寺の住職、盛厳廿四世大俊禅の筆になる。側面には「東日本大震災津波到達点 唐丹町本郷、大石、花露辺、片川、荒川、小白浜」と刻まれる。子どもたちが中心となり地元で集めた小石を鳥にデザイン化し石柱の上に乗せる。北海道滝川市の全優石認定店 山崎石材工業(本社・滝川市二の坂町東、社長・山崎 巌)が協力して小鳥の彫刻をバックアップしている。

 石柱に使用する石材は福島県産の御影石。製作は福島県喜多方市の古川石材株式会社(本社・福島県喜多方市塩川町、社長・古川 善裕)。中越地震の際にはお墓復旧ボランティアに積極的に参加した。今回は専務である息子さん(29歳)が真っ先に手を上げた。

福島県は地震、大津波の被害に加え原発事故の影響で農業産品、工業製品が売れない。しかし、福島県でも頑張っているところがある。特に会津地方は元気で大丈夫。モノ作りを通して福島県をアピールしていきたい、と意気込む。

 かつて2度の大津波を経験し、今回は3度目。それでも力強く生きる住民にとって、慰霊の場、教訓の場、「なにくそ」という発奮の場になってくれれば…と願うばかりだ。


完成予想図
建設予定地の唐丹町本郷、海のすぐ近くで標高は約14m。
明治三陸津波、昭和三陸津波と3基並ぶこととなる。

石柱表裏に刻まれるメッセージ

沼津石材での制作現場
津波到達点22箇所に建立される津波記憶石パース

画像(GIF画像)をクリックすると解像度の高いJPEG画像が表示され、ダウンロードできます。

全優石 津波記憶石建立に願う思い

東日本大震災が起こってから早1年が経ち、義援金や人的ボランティアなどたくさんの方々が未だ活動している中、今被災していない我々に出来ることってないのだろうかと日々考えていました。震災1年後の当日には弊社の展示場を活用した震災チャリティーイベントの後援もしました。たくさんの人達が集まり、積極的に参加している姿を見て感動をしました。

 我々の仕事はお亡くなりになった方の鎮魂と残された方々のこころの寂しさを癒すことのお手伝いをしていますので被災された方々に何か出来ることがあれば協力したいと思っていましたので、全優石が取り組んでいる『復幸支援』の一環である津波記憶石プロジェクトには常に関心を持っていました。釜石市・気仙沼市とプロジェクトも動き出し、三箇所目の建立依頼が来ているとの情報と建立の協力者を募集しているとの事で、弊社にストックしてある石材を活用して作れないかと全優石に情報を提供した結果、採用となり今回の津波記憶石の施工をさせていただく運びとなりました。

 どのような碑を製作するのか不安な面もありましたが、現地の方々との打ち合わせにより被災された子供たちからのメッセージ(心の叫び)を約90名分彫刻するとの事で実際に彫刻するメッセージを見て思わず心が熱くなってしまいました。次にいつ起こるかわからない津波に対し、薄れていく記憶や意識をこの碑を見ては思い出して頂けると確信しています。

全国のネットワークを持つ全優石でなければ出来ない支援であると思います。またこの支援に協力できることを幸せに思い、心をこめた作品を完成させたいと思います。

平成24年5月30日
沼津石材株式会社
代表取締役社長 榊原 晃


■全優石のホームページ
http://www.zenyuseki.or.jp/

■全優石津波記憶石プロジェクト
http://www.tsunami-kioku.jp/

■岩手県釜石市の根浜海岸に建立された第1号についてのリリース参照
http://www.info-ginza.com/zenyuseki/tsunami/tsunami1.html

■気仙沼市の市立小泉小学校に建立された第2号についてのリリース参照
http://www.info-ginza.com/zenyuseki/kesennuma/kesennuma.html

■「東日本大震災お墓修復支援隊」についてのリリース参照
http://www.info-ginza.com/zenyuseki/shien/shien.html

■沼津石材株式会社ホームページ
http://www.numaseki.com/company.php

■古川石材ホームページ
http://furukawa-sekizai.com/




報道お問い合わせは
■一般社団法人 全国優良石材店の会  事務局長 山崎 正子
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