2011年6月24日

カウボーイハットをかぶり、ブーツが花立のウエスタン調お墓がニューデザイン大賞に

「第17回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」の結果発表

ブロンズの花付お墓、車型お墓、ゆかりの地名入りお墓などが入賞

お墓を作っているのに、楽しくワクワクして過ごした!?



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墓石の右頭にカウボーイハット、墓石前にはウェスタンブーツの花立てに馬の蹄鉄の香炉というウエスタン調のお墓が、「第17回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」の「お墓ニューデザイン大賞」に決定した。ウエスタン好きの亡夫のために埼玉県吉川市の佐藤 富貴子さんが建立したお墓で、「子供達の協力もあり、イメージどおりのお墓をつくる事ができて、とても満足しています」。

「第17回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」は、北海道から沖縄まで、全国の優良石材店約300社によって構成する墓石業者の全国組織「全優石」(正式名称:一般社団法人 全国優良石材店の会、会長:吉田剛、事務局:東京都品川区上大崎3-8-5)が実施したもので、今年で17回目。新しいデザインのお墓、個性的なお墓、オリジナルなお墓の写真を全国規模で公募した。応募資格はお墓の所有者かその家族、または家族の了解を得た石材店という限定付き。今年4月30日の締切までに41人から応募が寄せられた。審査の上、ニューデザイン大賞1名、ニューデザイン特別賞1名、ニューデザイン賞21名が決定した。

大賞を受賞した佐藤さんは、「ウエスタンが好きで、生前はアメリカに行きウエスタン調の小物を集めるのが好きだった主人は、夕日に照らされ馬に乗ったカウボーイの様な人、クリント・イーストウッドへの憧れもありました。主人のイメージ通りのお墓をつくりたいと思いました。」と語る。墓石には英語で「God Took You From Our Home But Never From Our Hearts」(いつも見守っているよ。)と刻んである。


ニューデザイン特別賞には、石材とガラスの異素材を組み合わせた札幌市の泉 光男さんが、48歳で亡くなった娘さんのために家族や親戚と相談して建てたお墓が入賞した。石の基礎の上に、虹のようなガラス製の半円形オブジェが3つ重なっている。ガラスは2枚あわせで、張り合わせた中には小さなピンクの桜の花びらが散りばめられている。ガラスを削り、そこに小さな天然石を挟み込んだ手の込んだもので、「娘の大好きな桜を空いっぱい咲かせました」と泉さん。

ニューデザイン賞には、21人が選ばれた。
神奈川県厚木市の高倉 米利さんは、奥さんと二人で寿陵墓を建立したが、奥さんの希望を取り入れトヨタMR-2を忠実に彫刻した車型のお墓で入賞した。

同じく車にちなむお墓では、北海道深川市の星野 育美さんはご主人の愛車であったミニ・クーパーをサンドブラスト手法で墓誌に刻んだ。



お墓の土台部分や外柵にレンガを取り入れたお墓で入賞したのは、群馬県富岡市の三木 ゆかりさんと、静岡市清水区の久保田 育長さん。三木さんは富岡市の象徴であるレンガ造りの富岡製糸場にちなみ、外柵にレンガを採用。墓石には「和」の文字を抽象的に彫刻。「のぎへん」の横の「口」を家紋で表現した。

お姉さんが亡くなった久保田さんのお墓は、立ったままお参りができるよう高めの土台をレンガで作り、その上に赤い墓石。表面にブロンズ製の花が飾られている。


お墓の表面にブロンズ製の花を飾るというのは、最近多く見られる傾向である。愛媛県今治市の渡部 英昭さんは亡妻のお墓をインド産のワイン色の墓石に、ブロンズ製の花を飾った。また、小さな花壇も用意、「年中花を咲かせてやろう」と、お墓まで20kmほどを4〜5日に1回は訪れている。

北海道雨竜郡の成瀬 勝幸さんも、同じように墓石にブロンズの花を取り入れた。しばらく、お墓にいて語り合えるようにと、石のベンチを用意し、フクロウや親子像なども飾った楽しいミニ庭園のようなお墓。


出身地やめぐり合いの地を墓石に刻むケースも目立つ。静岡県富士市の佐野 文明さんは、「亡き妻と私の2人の記念碑」として、2本の墓石、その間に3段の石を挟んだ形のお墓を建立。墓石には二人が生まれた土地を星印(地名入り)、そして出会った場所と結婚生活を送った土地にハートマーク(地名入り)を刻み、2人で歩んできた人生をカタチにした。

岩手県盛岡市の大石 美津子さんは北海道出身の亡父のお墓。年老いて故郷に帰りたくても帰れない父をみてきた。遺品を整理していて、亡父の故郷への強い思いを改めて感じたという。墓石には北海道の地図を浮き彫りし、出身地の愛別町に星印を刻んだ。これで「方向音痴の父が迷わず、いつでも故郷まで行ける」と、大石さん。 

岡山県浅口市の井上 繁人さんは、お母さんのお墓。直接地名や地図を刻むのではなく、出身地に鶴の飛来地があることを意識、黒御影石に鶴の彫刻と、花の彫刻を施した斬新なデザインのお墓に仕上がっている。


スポーツや趣味を反映したお墓での入賞も相変わらず多い。愛知県知多郡の徳浪 一雄さんは、高校球児であった息子さんを偲ぶお墓。野球場をイメージしてつくった。バックスクリーンを模した墓石、原寸大のピッチャープレー卜があり、ホームベースもある。御影石でつくったグローブの中に大理石の白球を収めた。

茨城県神栖市の丹羽 篤之さんは、転勤先に届いた「ラグビーボール型の墓に入りたい」という生前の父の意向を汲み、オリジナルデザインの墓にチャレンジした。父の影響で兄弟3人ともにラグビーをして育っただけに、家族の象徴ともいえるラグビーボールはまさに理想のお墓の形。今は墓参りのたびに子供たちが丸い墓石を、親しみを込めてなでている。

北海道河西郡の冨居 清美さんは、バスケットボールの審判を30年も務めた亡夫のお墓をバスケットゴール型でつくる。ゴール板があり、ネットがある。今まさにネットに入ろうとするボールもリアルに表現。手前にはフリースローラインも浮かび上がる。

静岡県富士市の関 千文さんは、社交ダンスが趣味だった亡父のために、お墓の前に半円形のダンスステージを設け、背景には家族みんなが好きな「桜」の象嵌彫刻を施した。「お墓を作っているのに、ワクワクする、こんな表現がぴったりなお墓づくりでした」と振り返る関さん。


ステンドグラス入りのお墓が増えているが、静岡県田方郡の土屋 栄一さんは、娘さんのお墓を明るいイメージのお墓、いつでもお参りができるお墓にと意図し、墓石中央をくりぬき、百合の花のステンドグラスを入れた。「お参りするたびに、元気をもらえるお墓に仕上がった」と土屋さん。

趣味の分野では、埼玉県東松山市の菅 ひとみさんは、音響マニアであった亡父のために「響」の文字入り、父が好きだったベートーヴェンの代表曲である「運命」のタタタターン、タタタターンの音符を入れた。「天国の父もきっと喜んでくれていると思います」と菅さん。

異種類の石材を組み合わせた墓石でニューデザイン賞に入賞したのは北海道深川市の佐藤 幸治さん。布団屋を営んでいた亡父のために、黒っぽい石の両側を白い石で包むように施工した。家族と支えあう気持ちを表現したという。

福岡県大川市のNさんは、広くゆったりした墓地を生かし、各種の低木を植え、大きなベンチもあるミニ庭園風。墓石は炭に関係した仕事をしていたことにちなみ、3本の黒い石柱が並んでいる。

福岡県久留米市の参田 渉さんは、従来の形にとらわれない、世界でただ1つしかない、お墓を建てようとの思いで、亡母のお墓を計画する。墓石には母への感謝の気持ちと、残された家族の気持ちを言葉にして刻んだ。「涙はもう捨てて命の限りに生きていく。悲しみを勲章に変えられる日まで。お疲れさま・・・そして、ありがとう!」

北海道深川市の佐藤 加代子さんの夫は、山が好きだった。一つしかない自分らしいお墓を建てていきたいと、岐阜県姪川村から産出する恵那の白サビ交じりの石を選び、文字の彫刻も「自然」を刻む。完成時には、石に触って、何度も触れて「どうだあ!」と家族に自慢した。完成から3ヵ月後、病により旅立った亡夫に代わり加代子さんが応募、入賞した。

熊本県熊本市の笠間 正俊さんは、長い間闘病生活の末に亡くなった奥様のためのお墓に、亡妻の名前の一字と行末の愛を込めて「愛」を彫った。

山形県東根市の渋谷 徹さんのお墓はお母さんのためのもの。母はいつも笑顔で穏やかな表情をしていたので、母のように丸みを持った形のお墓にしたという。雪国のためにカロートを高くし、水はけを良くしている。


「自分が生きてきたことの証としてのモニュメントを残したい」、「故人の趣味や人柄を偲ばせるデザインをお墓に取り入れたい」、「お墓に刻む一文字で残された家族にメッセージを残したい」、「じめじめした陰気なお墓はもういや。いつでも気軽に訪ねられるお墓にしたい」「触ったり、撫でたりできる親しみの持てるお墓を」「ペットと一緒に入れるようなお墓を」「自分でお墓をデザイン、設計したい」……。こうした意識は年々強くなっている。以下のように今回の入賞者の言葉の中にもそれがうかがわれる。

・子供達の協力もありイメージどおりのお墓をつくる事ができて、とても満足しています。(大賞の佐藤 富貴子さん)
・主人と二人で寿陵墓を考えました。現役でそんな年齢でもないでのすが…。いずれ必要なことですし、自分の想いを形にしたいと考え(埼玉県吉川市の高倉 米利さん)
・「明るく、優しく出迎え、しばらくその場にず〜と居て、語り合える」そんなお墓を建てたいと長く思っていた。(北海道雨竜郡の成瀬 勝幸さん)
・お墓というより、2人で歩んできた人生をカタチにしたかった。(静岡県富士市の佐野 文明さん)
・「お墓を作っているのに、ワクワクする」こんな表現がぴったりなお墓づくりでした。(静岡県富士市の関 千文さん)
・明るいイメージのお墓、いつでもお参りができるお墓にと家族全員で考えました。(静岡県田方郡の土屋 栄一さん)
・家族で案を出し合い、悪いところは全員が納得できるまで修正し仕上がったお墓です(埼玉県東松山市の菅 ひとみさん)
・母の生きた証と、母がいてくれたからこそ今の自分達が存在しているという感謝の気持ちを、形にしようと考え、従来の形にとらわれない、世界でただ1つしかない、お墓を建てようと考えました。(福岡県久留米市の参田 渉さん)
・「この世で、是非、一つしかない自分らしいお墓を建てていきたい!」(北海道深川市の佐藤 加代子さん)

お墓はレディメイド時代からオーダーメイド時代へ、自分たち家族の想いを楽しみながら形にする。そんなお墓づくり時代に入っているようだ。


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