2008年6月25日

「雪ダルマゆうパック」を考案したアイデア郵便局長の

「七転び八起き 雪ダルマ型お墓」が、ニューデザイン大賞に

「第14回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」の結果発表

「ありがとう」文字入りお墓、自作デザイン型お墓などが入賞



 

発泡スチロールに本物の雪を詰めた「雪ダルマゆうパック」を考案した北海道、早来雪だるま郵便局局長の真保 生紀さん。今では全国各地から注文が相次ぐ名物に成長しているが、当初から雪詰め作業を手伝ってくれ、文字通り雪ダルマゆうパックを二人三脚で育て上げてくれた奥様を、2007年6月に肝臓がんで亡くした。長年、手伝ってくれた奥様への感謝の念を込めて建立した白御影石製の「雪だるま墓石」が、「第14回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」の「お墓ニューデザイン大賞」に決定した。長年奥様と一緒にこだわった雪だるま。死んでもこだわりたい夢として建立した雪だるまは、正面に「夢」の文字を彫刻、七体の小さな雪だるま(白御影)とともに配置、達磨の「七転び八起き」を暗示、訪れる人に「夢挑戦」と激励する。

 「第14回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」は、北海道から沖縄まで、全国の優良石材店約300社によって構成される墓石業者の全国組織「中間法人 全優石」(全国優良石材店の会、会長・吉田剛、事務局・東京都品川区上大崎3-8-5)が実施したもので、今年で14回目。新しいデザインのお墓、個性的なお墓、オリジナルなお墓の写真を全国規模で公募した。応募資格はお墓の所有者かその家族、または家族の了解を得た石材店という限定付き。今年4月30日の締切までに57人から応募が寄せられた。審査の上、ニューデザイン大賞1名、ニューデザイン賞20名が決定した。

 ニューデザイン賞には、「ありがとう」の文字入りお墓が3点選ばれた。

 兵庫県神戸市中央区の大串 和久/智子さんは亡父のお墓をハート型の墓石に「ありがとう」と好きな旋律を音符で彫刻した。亡き父へ、家族に、そして多くの人への感謝を込めた「ありがとう」の文字入りお墓である。

 鹿児島県鹿屋市の斉之平 真弓さんのお墓は、亡き母のお墓。いろいろな方に支えられ、生き抜いてこられた73年間だったことへの感謝の想いを込めて「すべてに感謝 ありがとう」の文字を刻んだ。

 また、熊本県熊本市の緒方 高信さんは、母親がいつも家族に言っていた言葉「ありがとう」をお墓に刻んだ。常に感謝の気持ちを大切にしていた母親。母親が亡くなり「ありがとう」の言葉の素晴らしさが身にしみた、と述懐する。

 最近増えているガーデニング型お墓は2点選ばれた。

 北海道滝川市の佐々木 浩司さんは、「母は、生前、草花が好きだったので、そんな母がいつまでも大地の暖かさが感じられるように、そして緑と花で明るい雰囲気のお墓をつくってあげたいと、芝生とお花をお墓のデザインに取り入れ建立しました。今では、孫となる息子も墓前にきては、花壇で遊んだりして、おばあちゃんに会いにくるのを、楽しみにしているようです」と語る。

 宮城県仙台市若林区の鈴木 理史さんは、ステンドグラス、花壇の花、洋風のアーチ型、お母さんにふさわしい佇まいのお墓を建立した。

 お墓を自らデザインしたり、刻む文字を自筆文字にしたり、お墓の一部に自作の作品をはめ込んだり、究極はお墓自体を自ら制作するというこだわり派も増えている。

 岐阜県瑞穂市の元絵画教師である加納 雅弘さんは、他の墓にはないデザインで、夢や期待が感じられるようにとの想いで地球のような球形のお墓をデザイン、油粘土でミニチュアを製作し、後は石材店に依頼して御影石で建立した。

 イタリアで3年間学んだモザイク画作家である千葉県習志野市の塚原 通代さんは、留学を終え帰国する1ヶ月ほど前に父親を亡くした。留学を理解し、支援してくれた父親のために、墓面を額縁に見立てアトリエで制作した睡蓮のモザイク(大理石とマルトと呼ばれるイタリア製のガラスで制作)を絵のように貼り付けた

 宮城県仙台市青葉区の小林 達朗さんは、病院の死の床で父親が描いた「宙」の文字を苦労しながら墓石に刻んだ。幼いころ、父親から「人は死んだら星になる」と教えられたことが脳裏をよぎる。

 群馬県富岡市の土澤 正治さんは、夫婦して登山が好き。そこで自然石で山をイメージする石を選んだ。寝転ぶこともできる雄大な裾野を持つ石で、長く伸びた裾野に、孫たちが座ったり寝そべったりできる。「通常であれば墓石に上るなどもってのほかでしょうが、孫たちが自由に触れていいという、常識破りなお墓です」と土澤さん。

 「自分が生きてきたことの証としてのモニュメントを残したい」、「故人の趣味や人柄を偲ばせるデザインをお墓に取り入れたい」、「お墓に刻む一文字で残された家族にメッセージを残したい」、「じめじめした陰気なお墓はもういや。いつでも気軽に訪ねられるお墓にしたい」……。日本各地で伝統的な「先祖代々之墓」や「○○家之墓」等に代わってニューデザインのお墓が増えてきている。

 従来はそうした希望を持っていても、希望に対応してくれる石材店が少なかった。作り慣れた規格墓の方が楽、デザインに自信がない....といった理由による。しかし、最近では変化する消費者のニーズに積極的に対応していこうという、意欲を持った石材店が全国的に増えていることもあって、ニューデザイン墓石が静かなブームになっている。

 特に最近では、団塊の世代のお墓づくりも進んでいて、「個性」「こだわり」を持ったお墓づくりの傾向が強くなっている。団塊世代は、自分で決めたことを大事にする傾向があり、石種、デザイン、彫刻(花、風景。言葉で)などに旧型の墓石にこだわらない人が増えている。オリジナルデザインなどの要望が強く出されるようになっている。

 これまでもお墓の前にベンチや椅子等を設け、お参りした時に休んだり、ゆっくり故人と語り合ったり、家族で一緒にお弁当を広げたりできるようにといった傾向。今回入選の富岡市の土澤さんのように、孫たちが座ったり寝そべったりできるお墓まで現れた。

 また今回でも入賞が目立った墓碑に「ありがとう」の文字を刻み、「生きてきたことへの感謝」「お参りに来てくれた人へのお礼」を表現するお墓も増えている。宇宙、地球やサッカーボール等を意識した球形のお墓も増えている。

 ガーデニング型お墓も多くなっている。今回入選の滝川市の佐々木さんのように、「孫となる息子も墓前にきては、花壇で遊んだりして、おばあちゃんに会いにくるのを、楽しみにしているようです」と親しみのもてるお墓づくり傾向。殺風景なお墓を生き生きとした世界をという志向で、従来の切花ではなく、植え込み型。手入れのために頻繁に訪れるようにという、自己に敢えて責務を課すタイプもいる。故人が好きだったものにこだわる傾向も強くなっている。タバコやお酒、あるいはスポーツではゴルフなどをテーマとしたお墓など、多彩である。