2007年7月11日

またたく星空から温かな眼差しで家族を見守ってくれている

「流星ときらめく星入りお墓」が、ニューデザイン大賞に決定

「第13回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」の結果発表

特別賞にはウインドサーフィンのボード型お墓が入賞



 澄んだ夏の夜空を見上げるように、黒い墓石に流れる銀河と明るく輝く三ツ星のレリーフ。真ん中には「空」の一文字も。シンプルではあるが洗練されたデザインで、「宇宙」を考えさせ、私たちが生きている「地球」を思い起こさせ、「人生」を、そして「あの世」に思いを馳せさせる「流星ときらめく三星レリーフ入りお墓」が、「第13回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」で「お墓ニューデザイン大賞」に決定した。

 「満天の星空の中で、流星がすじを残して消え去るように、私たちの心に大きな光跡を残して逝った」祖父のために宮城県仙台市の星 由輝江さん家族が建てたお墓。「祖父は今も、この空のどこかで、温かな眼差しでこれからもずっと私たち家族を見守ってくれている」と星さん。残された家族に、大きな癒しを与えてくれるお墓になっているようだ。

 「第13回全優石ニューデザインお墓写真コンテスト」は、北海道から沖縄まで、全国の優良石材店約300社によって構成される墓石業者の全国組織「中間法人 全優石」(全国優良石材店の会、会長・吉田剛、事務局・東京都品川区上大崎3-8-5)が実施したもので、今年で13回目。新しいデザインのお墓、個性的なお墓、オリジナルなお墓の写真を全国規模で公募した。応募資格はお墓の所有者かその家族、または家族の了解を得た石材店という限定付き。今年4月30日の締切までに48人から応募が寄せられた。審査の上、ニューデザイン大賞1名、ニューデザイン特別賞1名、ニューデザイン賞17名が決定した。

 ニューデザイン特別賞には、新潟県上越市の椿 えり子さんが選ばれた。40歳の若さ、交通事故で夫を失った。学生時代はウインドサーフィン競技の選手であり、曲線や明るい色が似合った亡夫のために、サーフィン型のカラフル墓石を建てた。墓石はカラフルで、日本海の夕陽をイメージしたステンドグラスもはめ込んである。完成したお墓は、家族や親しい人にとって、生前の彼を身近に感じさせ、ここに来れば元気な彼に再会できるという。

 ニューデザイン賞には

■故人が描いたお気に入りの船を描いた油絵を、墓石に焼き付けた兵庫県西宮市の濱田 真理さんのお墓
■足が不自由なため段差のないお墓とし、お墓も直線をなくし柔らか味のある曲線を多用した東京都西東京市の吉川 寿子さんのお墓
■読書が好きだった故人のために、見開きの本に「千の風になって」の原詩を彫り込んだ京都府京都市の大川 直子さんのお墓
■おじいちゃんが好物だった一升瓶、おばあちゃんが好きだった編み物、ペットの犬の置物も一緒の大阪府吹田市の丹 公利さんのお墓
■大阪府和泉市の有村 誠美さんは、パソコンが得意だったおじいちゃんのお墓に、石製のキーボードとマウス。キーボードにはABCではなく、「おじいちゃんありがとう」の文字。
■住まい近くからいつも見える山と、そこから流れる川を、墓石とアプローチで表現した群馬県富岡市の月田 裕さん。
■胸に花を飾るように、墓石をハート型にぽっかりくりぬき、そこに花を生けられるようにした可愛らしい静岡県牧之原市の九島 祐海子さんのお墓。
■墓石自体がハート型で、「触りたくなる」ようなお墓を建立した大阪府泉南郡の古林 徹さん。
などが入賞した。

 「自分が生きてきたことの証としてのモニュメントを残したい」、「故人の趣味や人柄を偲ばせるデザインをお墓に取り入れたい」、「お墓に刻む一文字で残された家族にメッセージを残したい」、「じめじめした陰気なお墓はもういや。いつでも気軽に訪ねられるお墓にしたい」……。日本各地で伝統的な「先祖代々之墓」や「○○家之墓」等に代わってニューデザインのお墓が増えてきている。

 従来はそうした希望を持っていても、希望に対応してくれる石材店が少なかった。作り慣れた規格墓の方が楽、デザインに自信がない....といった理由による。しかし、最近では変化する消費者のニーズに積極的に対応していこうという、意欲を持った石材店が全国的に増えていることもあって、ニューデザイン墓石が静かなブームになっている。

 特に最近では、団塊の世代のお墓づくりも進んでいて、「個性」「こだわり」を持ったお墓づくりの傾向が強くなっている。団塊世代は、自分で決めたことを大事にする傾向があり、石種、デザイン、彫刻(花、風景。言葉で)などに旧型の墓石にこだわらない人が増えている。オリジナルデザインなどの要望が強く出されるようになっている。

 これまでもお墓の前にベンチや椅子等を設け、お参りした時に休んだり、ゆっくり故人と語り合ったり、家族で一緒にお弁当を広げたりできるようにといった傾向。また墓碑に「ありがとう」の文字を刻み、「生きてきたことへの感謝」「お参りに来てくれた人へのお礼」を表現するお墓も増えている。宇宙、地球やサッカーボール等を意識した球形のお墓も増えている。ガーデニング型お墓も多くなっている。殺風景なお墓に生き生きとした世界をという志向で、従来の切花ではなく、植え込み型。手入れのために頻繁に訪れるようにという、自己に敢えて責務を課すタイプもいる。故人が好きだったものにこだわる傾向も強くなっている。タバコやお酒、あるいはスポーツではゴルフなどをテーマとしたお墓など。

 加えて今回の応募者の傾向からは
■お参りに苦労しなくてもいいように、バリアフリーのお墓づくり傾向が強くなっている。
■色は白や黒にこだわらず、やさしさを反映したブラウンやマホガニー、あるいは特別賞の椿さんのようにレッドといった石が使われるようになっている。
■今回の入賞者では二人がハートをモチーフとしている。
■墓石に山を、アプローチを川や渓流に見立てたお墓が2名いる。

 入賞者、応募者のコメントからは

■「自らお墓づくりを真剣に考えたこと、ニューデザインお墓を作って良かった」
■「故人のためのお墓作りで、家族の絆が強まり、癒された」
■お墓は人生を讃歌するものだと思った
■「お墓づくりは素晴らしい人生のメッセージだと思いました。」
■「家族のために一生懸命尽くしてくれた父親に対して、生前に伝えられなかった感謝の気持ちを込めて“できるだけのことをしてあげたい”との思いからできたお墓」
■「家族の想いが一つの形となったお墓」
といった声が寄せられた。